大麦は栄養素が豊富|食物繊維は白米の10倍以上?小麦との違いも
小麦と並び、世界最古の穀物と言われている大麦。ビールやウィスキー、麦味噌、麦芽飲料など、馴染みのある食品の原料として使われています。しかし、大麦以外にも、ライ麦やオーツ麦、もち麦など、何がどう違うのかわからない方も多いのでは?そこで本日は、大麦の知られざる魅力、含まれる栄養価などについて解説します。
大麦とは?
大麦とは中央アジア原産のイネ科の穀物です。穀物のなかでは小麦に並び世界最古といわれ、約1万年前から西アジア~中央アジアを中心に食べられていたといわれています。日本では、弥生時代に朝鮮半島から伝わってきたようです。
古代エジプトやメソポタミア(現在のイラク、シリア北東、トルコ南東あたりのエリア)では、大麦のおかゆやパンなどが食べられていたようです。特に古代エジプト人は、麦芽(発芽した大麦)の甘みを利用して、ビールを製造していたといわれています。
大麦と小麦の違い
大麦も小麦も同じイネ科の穀物です。2つは含まれるタンパク質が異なり、小麦はグルテン、大麦にはホルデインが含まれています。小麦に含まれるグルテンは粘り気があって膨張性にすぐれており、その特性を活かしてパンやうどん、お菓子類などに使われます。
一方大麦はグルテンを含まないため、粘着性がありません。小麦よりも吸水性に優れており、味噌や麦ごはん、ビールなどの食品の原料として使われます。
他にもある!大麦と似た穀物【麦芽・ライ麦・オーツ麦】
大麦と似た名前の穀物は他にもさまざまあります。例えば同じ「麦」がつく、「麦芽(ばくが)」「ライ麦」「オーツ麦」などです。
麦芽は大麦を発芽させたもので、ビールやウイスキーの原料になります。ライ麦はパンの原料や飼料などに使われるイネ科の栽培植物で、外皮が青緑の色をしているのが特徴です。オーツ麦はオートミールの原料で、イネ科カラスムギ属の穀物です。穂の形状がツバメに似ていることから、「燕麦(えんばく)」とも呼ばれます。
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大麦の種類
大麦にもいくつか種類があります。粘性別、品種別、加工別、3つの切り口で紹介します。
粘性別
粘性別だと、「もち性」と「うるち性」の2つがあります。この「もち性」の大麦を「もち麦」とよびます。
もち麦(もち性の大麦)は、うるち性の大麦よりも水溶性の食物繊維を多く含みます。さらにアミロペクチンというでんぷんが多いため、粘着性があってもっちりとした食感です。
一方のうるち性の大麦は、アミロースというでんぷんを多く含んでいます。ちなみにアミロペクチンとアミロースは、白米にも含まれています。白米の場合、アミロペクチンが多いともっちりしたやわらかご飯なり、アミロースが多いとパサパサとした硬いご飯になります。
品種別
品種別だと、大きく「二条大麦(二条種)」と「六条大麦(六条種)」と「バーリーマックス」があります。
名前に付している数字は大麦の穂につく実の数を表しています。二条大麦(二条種)は実がつくのは穂の2列だけ、六条大麦(六条種)は、穂の6列すべてに実がつきます。二条大麦(二条種)が実が大きめで、六条大麦(六条種)は実が多い分1粒が小さめです。
バーリーマックスは品種改良を重ねて誕生したオーストラリア発の大麦です。一般的な大麦の約2倍の食物繊維と、約4倍のレジスタントスターチ(難消化性デンプン)を含んでおり、「スーパー大麦」ともよばれます。
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加工別
代表的なものは「丸麦(まるむぎ)」と「押し麦(おしむぎ)」です。
丸麦は大麦を精白したものです。丸みと厚みがあり、プリプリと弾力のある食感が特徴です。そのまま白米と混ぜて炊くと、ぷちぷちした食感を楽しめます。
押し麦は、丸麦の黒条線(真ん中の黒い線)を残したまま蒸して、ローラーで押しつぶしたものです。丸麦のような弾力はなく、さらっと乾いています。麦ごはんで使われるのはこの押し麦です。
大麦に含まれる栄養成分
続いて、大麦に含まれる栄養成分をいくつか解説します。
ミネラル類
大麦には、カリウムや鉄分、マグネシウムなどのミネラル類を豊富に含みます。これらは16種類ある必須ミネラルのうちの一部です。ミネラルは人間の体内で生成できないため、大麦をはじめとする食べ物や飲み物から摂取する必要があります。特にカリウムや鉄は、日常生活で不足しがちなミネラルといわれています。
食物繊維
大麦は食物繊維が豊富です。全国米麦改良協会のデータによれば、大麦100gに含まれる大麦は9.6gで、白米に含まれる0.5gと比較すると10倍以上も多いことがわかります。
さらに注目すべきは、大麦の食物繊維の内訳です。大麦には水溶性食物繊維が6.0g、不溶性食物繊維が3.6gとそれぞれ含んでいます。食物繊維は水溶性と不溶性をバランス良く摂取することが重要で、いずれかを多く摂取してもあまり効果がありません。その点、双方の食物繊維をバランス良く摂れる大麦は、非常に効率の良い食品といえるでしょう。
タンパク質
大麦に含まれるタンパク質は、グルテリンとホルデインです。グルテリンもホルデインも粘着性はありませんが、吸水性が良いので白米と一緒に炊くとおいしく食べられます。
炭水化物
大麦に含まれる炭水化物は、大麦100gあたり約28gです。白米だと100gあたり約37gなので、白米よりは炭水化物が少ないことがわかります。
β-グルカン
β-グルカン(ベータグルカン)は水溶性食物繊維の一種で、オーツ麦や小麦、パン酵母やきのこ類にも含まれています。麦類のなかで比べると、オーツ麦や小麦よりも含有量が多いです。
β-グルカンの大きな特徴は、胃や腸で吸収されずに腸の内側にある免疫細胞に直接働きかけることです。そのため、できるだけ空腹時(腸が空に近い状態)に大麦を摂取するのがおすすめです。
大麦でよくある質問
小麦アレルギーの人でも、大麦は食べてもOK?
小麦アレルギーを持っている方は摂取に十分注意してください。
小麦アレルギーは、小麦に含まれるグルテン(タンパク質の一種)によって引き起こされます。大麦には、グルテンに似た分子構造のもの(グルテン不溶性タンパク質)があります。このグルテンに似たタンパク質を摂取することで、小麦アレルギーに似た反応、交差抗原性(こうさこうげんせい)が出ることがあります。
なお、交差抗原性は、大麦だけではなくライ麦でも起こる可能性があります。小麦アレルギーの方は、念のため医師に確認してから大麦やライ麦を食べましょう。
大麦の1日の摂取量は?
大麦に含まれるβ-グルカンの1日の摂取量目安は約3gです。大麦によって異なりますが、100gあたりβ-グルカンが3~10gほど含まれているため、50~100gほどを目安にすると良いでしょう。
大麦はいつ食べるのがベスト?
大麦はいつ食べてもOKですが、おすすめは朝食です。大麦に含まれるβ-グルカンを朝食で摂ると、朝食後~昼食後くらいまで血糖値が上昇しにくくなります。これを「セカンドミール効果」とよびます。
大麦は妊娠中や乳幼児でも食べてもOK?
大麦は妊婦の方や赤ちゃん、小さなお子さまでも食べられます。妊婦の方は、妊娠中に不足しがちなミネラル類や食物繊維を摂取できるので、おすすめです。赤ちゃんは、離乳食が終わったら食べられます。たっぷりの水で煮込み、おかゆのようにやわらかくなった状態で与えてください。
大麦は食物繊維が豊富のため、消化器官に負担がかかることもあります。おなかを壊さないように、様子を見ながら与える量を増やしましょう。
まとめ
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